熊本県の公立(県立・市立)高校には熊本高校、済々黌高校のような有名人気進学校がある反面、毎年のように定員割れしている高校が多数あります。
ここではそんな熊本県の公立高校の状況について、令和5年度合格状況を基にお伝えしたいと思います。
尚、ここでは塾の立場から述べていますので、全日高校に絞ってお伝えします。
熊本県公立高校2024年入試スケジュール
- 1月中旬前期(特色)選抜 出願期間
2024年は1月19日(金)~1月24日(水)正午
- 2月初旬前期(特色)選抜 試験
2024年は2月1日(木)
- 2月中旬前期(特色)選抜 選抜結果通知
2024年は2月9日(金)
- 2月中旬後期(一般)選抜 出願期間
2024年は2月13日(火)~2月16日(金)正午
- 3月上旬後期(一般)選抜 試験
2024年は3月 5日(火)、3月 6日(水)
- 3月中旬後期(一般)選抜 合格者発表
2024年は3月13日(水)
- 3月中旬二次募集 出願期間
2024年は3月14日(木)~3月19日(火)午後4時
- 3月下旬二次募集 面接等実施日
2024年は3月21日(木)
- 3月下旬二次募集 選抜結果通知
2024年は3月25日(月)
熊本県の公立高校入試情報は熊本県教育委員会のページで随時更新されています。
熊本県の公立高校の数と熊本市立高校の試験内容変更について
熊本県の全日高校は、県央地区17校、県北地区14校、県南地区19校(内分校3)、熊本市立2校、
の計52校あり、このうち熊本市内には13校あります。
熊本県は県立高校とともに熊本市立高校もあるため、公立高校という呼び方が一般的です。
尚、熊本県立高校、熊本市立高校ともに入試日や入試問題は同じですが、熊本市立高校2校については令和3年度(2021年度)よりインターネット出願が開始されています。
また、熊本市立千原台高校については来年度後期選抜入試より、従来の熊本県立高校とは違うマークシート方式の問題に変更されます。試験時間も15分短い35分(英語はリスニング含め45分)になり、1日目に5教科の学力検査と自己アピール書の作成(35分)、2日目に前日作成した自己アピール書をもとにした面接、と試験内容が変更されます。
熊本県の公立高校は募集定員に達しているの?
熊本県教育委員会が毎年出しているデータによると、
募集定員に達したのが
県央地区 9校、県北地区 3校、県南地区 1校、熊本市立 2校、の計15校です
逆にいえば、
熊本市内10校と小川工業、玉名高校、玉名工業、翔陽高校、八代高校
以外の37校は全て定員割れという状況です。
学校ごとの前年度実績は以下のページでご確認ください
令和5年度(2023年度)熊本県公立高等学校合格者数及び二次募集実施校(熊本県教育委員会ホームページより)
中には定員120名で合格者29名といった高校もあり、生徒募集がかなり厳しい状況になっています。
定員割れ高校の入試なんてあってないようなものなの?
学校の設備は定員分整っているので、定員割れなら希望する生徒は全て入学させれば良いのではと思いますが、そこは公立高校なので一定の合格基準は設けています。
さすがに定員オーバーする高校ほどの厳しさはありませんが、定員割れ私立高校のようなことは無いでしょう。
ただし、熊本県の場合、地理的に通学が難しい地域ではその限りではなさそうです。
工業高校、商業高校では大学は難しいの?
熊本工業高校、熊本商業高校、他にも専門課程を設けている高校が多くありますが、そういった高校に行った時点で大学進学は諦めないといけないんでしょうか?
高校進学時点では卒業後は就職するつもりだったとしても、だんだん世の中が見えてきて大学に行きたいと考えることも多いかもしれませんが、専門課程の授業がある分、受験に関係する授業時間数が少なくなるため、大学入試に必要な学習範囲を考えると学校の授業だけでは厳しいと思います。
ただ、そういった専門課程の高校から大学進学が無いのかと言えばそんなことは無く、工業高校や商業高校からも熊本大学をはじめ、国公立大、私立大に多数進学しています。
熊本工業高校から熊本大学へは2022年2名、2021年1名、2020年1名、熊本県立大学へは2021年2名、2021年3名、2020年5名の進学実績があります。
大学受験はなにも英語数学などの科目試験だけではありません。特に専門課程の高校から大学受験に臨む場合、一番現実的なのが推薦入試です。
推薦入試には高校3年間の成績での推薦、スポーツ推薦、AO推薦(自己推薦)などがあり、この中で誰にでも出来て一番確実なのが3年間の学業成績による推薦です。
これは高校入学から3年間の結果を積み上げていくことで対象になるもので、出題範囲の広い大学入試対策を行うのに比べ、範囲の決まっている定期テストを1年生から毎回頑張って積み上げていけば、大学によっては試験科目が面接と小論文だけということも普通にあります。
学業推薦については専門課程高校に限らず、普通科の高校でも同じです。
熊本県公立高校に出願の際に気を付けること
公立高校志望の場合、滑り止めの私立高校の選択が重要になってきます。
中学校の進路指導では、中学生を浪人させるわけにもいかないので私立高校の選定は固く固く指導されるのが一般的で、本人や保護者も公立の志望校のことで頭が一杯で私立高校の受験校については学校任せになりがちです。
ただ、成績的に問題がない場合でも公立高校入試の日に突発的な何かが起こって受験できないことがあるかもしれないので、滑り止めと考えていた私立高校に3年間通うことは十分考えられます。
また、これもよくある話で、私立高校の入試が終わった途端に勉強を続けるのが嫌になって、そのまま合格した私立高校に行くなんて言い出すこともあります。
熊本県の中学校では11月の下旬から12月の中旬にかけて進路を決める3者面談が行われて、その場で受験する私立高校の願書を書くことが多いです。
中学校としては多くの受験生の進路を決めていくうえで、出来るだけスムーズに年内に願書などの事務手続きを終えたいので、このタイミングで願書を集めるのですが、
私立高校の願書提出は1月に入って新学期が始まってからなので、年末年始じっくり考えてからでも十分に間に合います。
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もし私立高校の受験校を迷っているなら、忙しい先生の気持ちも汲みながらも、もう少し考えたいと伝えることも大切です。
まとめ
熊本県の公立高校の入試状況は熊本市内か市外かで大きく事情が変わってきます。
熊本市外の場合、住んでいる地域で高校まで決まってくることも多くありますし、そういった地域では通うのが難しい私立高校は選択肢に入らない場合もあるようです。
それでも高校選びはその後の人生において重要なものなので、環境が許されるならしっかりと納得いく選択をしてください。
現在の受験制度や就職状況を考えると、残念ながら進んだ高校で進学できる大学の範囲、入社できる企業の範囲も決まってくるのが現実です。
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