個別指導塾はアルバイト講師のここを見て採用する 保護者が気になる講師の採用基準について

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個別指導塾において生徒に最も近い距離で接するのが講師です。

そのため、生徒本人はもちろんのこと、保護者としてもどんな人が講師なのか気になるところだと思います。

個別指導塾経営者として、これまで100人近くの講師アルバイトの採用と教育にかかわった者として個別指導塾にはどんな講師を求めていて、どういった基準で講師を採用しているのかについてお伝えしていきたいと思います。

個別指導塾の講師は大学生?社会人?

個別指導塾の講師といえば大学生のアルバイトというイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

それぞれ生徒のとっても塾にとっても良い面悪い面がありますが、私の場合は最終的には全員大学生アルバイトで固めていました。

最終的にと書いたのは、一時期社会人講師も採用したことがあったからです。

社会人、大学生の両方と仕事をしてきた者からみたそれぞれの特徴は次の通りです。

大学生講師アルバイト

大学生アルバイト講師のいいところは、知識が新しく素直で、生徒とも年齢が近いので打ち解けやすいところです。

その反面、スタッフとして大人扱いするには不安もあって、スーツを着て勤務する姿は社会人そのものでしたが、挨拶や言葉遣いのような一般常識の面については研修が必要です。

個別指導塾の講師は、最低でも中学生の英語・数学とできれば高校生の英語と数Ⅱプラス何教科は教えられる知識は欲しいところで、熊本大学生と熊本県立大学生については期待通りのレベルでしたが、私立大生については大学入試時の受験方法や受験科目を確認しないと、科目によっては中学生レベルの応募者もいるので、注意が必要でした。

<選考に当たっては次のような流れです> 

  1. 面接
    相手の目を見て話ができるか?
    1度でも笑顔を見せることができるか?
  2. 学力確認テスト(1教科30分ほど) 
    英語・数学の中学レベル~高校レベル
    熊本大学・熊本県立大学の推薦入試以外(一般入試で合格)は1教科のみ実施。
  3. 採点(5分)
  4. テストが基準点を大幅に下回る場合
    「後日連絡します」と言って帰ってもらい、不採用通知を郵送。
  5. テストが基準点以上の場合
    面接の結果も問題なければその場で採用の旨伝えるが、こちらの条件をもう一度確認してもらい、
    納得してもらえたら1週間後に手続きと研修に来てもらう。

授業を始める前

職場によって違いはあるでしょうが、第一にすべきはこれから授業を行う生徒の進み具合の確認です。
学年、科目、前回までの小テストや宿題の内容についてそれまでの

授業報告書(塾によって呼び方は違いますが)

で確認を行います。

担当生徒が決まっていてその生徒の授業をずっと行っている場合は問題ないのですが、個別指導塾の中には毎回生徒や科目が変わるところもあるので、この授業報告書をしっかり書くことが次の講師にとっても自分自身にとっても重要になります。

私の塾では講師が記入した報告書を授業終了後に細かくチェックして、そのまま保護者に送付していましたので、誤字脱字が無いことはもちろんのこと、

塾講師=先生

として最低限の漢字や文章は書くように指導していました。

授業中の指導方法 1対2なのか3なのかによって忙しさが違う

個別指導塾ときくと講師1人に生徒1人のように思われるかもしれませんが、ほとんどの個別指導塾が講師1人に生徒2人~3人が普通です。

講師1人に生徒2人の場合の授業の流れはだいたいこんな感じです。

①Aさんに授業、Bさんは宿題の自己採点

②Aさんに問題を解いてもらう間、Bさんは授業

③Aさんに授業、Bさんは問題を解く

これを順番に行っていきます。

つまり、講師はずっとしゃべっている状況になりますので授業中は大変ですね。

個別指導塾によっては1対4のところもあり、そうなると講師の負担はより大きくなるので、選べるのならはじめは講師1対生徒2くらいが良いと思います。

授業終了 業務終了までに行うこと

授業報告書を完成させると勤務終了です。

1対2の場合、2人分の授業報告書を授業終了後に書くので時間がかかると思われそうですが、授業中ずっとしゃべっているとはいえ、合間合間に生徒が考えている時間もありますし、授業前に記入できるところ、例えば名前や科目名、単元名などがあるので、慣れてきた講師は授業終了後5分以内に2人分の授業報告書を完成させていました。

個別指導塾講師の月収

個別指導塾講師の月収形態は2つに分けられます

コマ給 1回の授業に対していくら

1コマ+準備残務時間(15分~20分位)で月収を決めます。

個別指導塾によって1授業の時間が決まっています。

一般的には80分~90分が多いようですが、中には120分というところもあります。
こういったところは厳密にいうと授業80分~90分と残りが予習復習時間で、その間生徒の質問を受けたり授業報告書を書いたりしています。

このコマ給については分数(60分)で計算し直して(1コマ80分なら60÷80×コマ給=最低賃金以上になっているかどうか)最低賃金を下回っていないことを確認しましょう。

最低賃金について(厚生労働省ホームページより)

時給 勤務開始から終了までの時間給

タイムカードなりで勤務時間を計算して時給換算で月収を決めます。

昔はコマ給計算が普通でしたが、最近ではこの時給計算が増えているようです。

タイムカード(又は入退室記録)を入れる時間は塾ごとに違うので、面接時に確認しておくことが重要になりますが、基本は職場に到着してすぐ(着替える前)に出社記録、仕事が終わったあと(着替えたあと)に退社記録が前提です。

たまに聞くのですが、出社記録は着替えも終わって仕事ができる状態になったからとか、退社記録を打ってから着替えをするとかは労働基準法上は間違った解釈ですので面接時に確認しましょう(お金のことははっきり確認しましょう)。

その他諸手当はどんなものがあるの?

その他の諸手当については、公共機関の交通費、自転車バイク通勤時の交通費など他のアルバイトと変わらないと思いますが、塾独特のものとしては、コマ給計算の塾でも自習対応は時給計算する場合があります。

自習対応とは、その日授業の無い生徒が自習するために来校している際に、巡回しながら質問に応えるものです。

ただ、学年や科目を問わず質問がくるので、講師のスキルがそれなりに無いと難しい業務です。

個別指導塾講師に学歴は必要なの?

「偏差値○○以上の大学」のようなものは無いと思います。

講師に対しても在籍(卒業)学校名は生徒には言わないよう指導していました。

これは、例えば東大を目指す生徒が、担当講師が普通の〇〇大学と知った時にどう思うか。教えることと学歴は違うとは言いながらも引っかかる人もいるかもしれません。

また逆に、東大の先生ですと言われてみんながみんな喜ぶかというと、そんな優秀な先生はちょっと…、と尻込みしてしまう生徒もいるかもしれません。

ただ、高校生の指導においては、講師の大学、特に大学入学時の試験方法(推薦?一般?)は気になるところでした。

例えば、国立大学の熊本大学生でも、推薦入試、前期試験入試、後期試験入試、グローバルリーダー入試等、入試の方法によって受験勉強の内容が違ってくるので中学生の指導は大丈夫でも高校生の指導になると全く勉強してこなかった科目があったりするので確認はしていました。

特に、私立大学の推薦入学の場合、極端な話科目によっては中学生とそう変わらない知識量の例もあり、そこを確認しておかないと結局講師自身が嫌な思いをすることがあります。

基本的に学歴は関係ありませんが、出来れば、授業も自習対応も出来る講師の方が塾側にとってはありがたいのが本音ではあります。

まとめ

昔は塾講師と言えば大学生のバイトの登竜門的な存在でしたが、最近では仕事内容の割に責任が大きい、月収も稼ぐ気になれば飲食店の方が良い、といった考え方も増えているようです。

特に、一部の塾の勤務内容が劣悪のような報道があってからは、まじめに勤務管理をしているにもかかわらず、応募の少なさから講師不足に悩まされている個別指導塾が増えています。

ただ、自分の持っている知識が生徒の役に立ち、その生徒の人生に影響を与える存在になることは大きな喜びと自信になることと思います。

先日も、10年前に在籍していた生徒とバッタリ会い、「○○先生は本当に良かったです、今どうされているんですか」と聞かれて、改めて塾講師の影響力の大きさを実感しました。

塾講師のアルバイトを考えている人は面接では遠慮することなく疑問点を聞いてください。もし聞くことで機嫌が悪くなるような塾長がいたらそんなところへは行かなければ良いだけです。

特に教師を目指している人は一度は経験してみましょう。

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