熊本県私立高校入試スケジュール 2024年入試日程、人気の学校、専願生・奨学生・特待生・推薦生の違いと内容は?

私立高校入試スケジュールサイコロ 熊本の高校入試情報

熊本県の私立高校入試は1月と2月の2回行われます。

ここでは熊本県の私立高校入試スケジュールや、専願生・奨学生・特待生・推薦生の入試の違い、合格難易度、専願で受験すると落ちないという都市伝説の真実、熊本県で人気の私立高校、私立入試で最大何校受験できるのか等についてお伝えしたいと思います。

(熊本市外のそもそも私立高校が無い地域については事情が変わってきます)

尚、公立高校のスケジュール等についてはこちらでお伝えしています

2024年私立高校入試日程

熊本県の私立高校入試は、1月に行われる「特待生・奨学生、専願生・推薦生」と2月に行われる「一般」の2種類です。

また、「一般」入試は学校を2グループに分けて行われます。

2024年特待生・奨学生、専願生・推薦生 入試

<熊本市・八代市・菊池市・山鹿市>
○出願期間 令和6年1月 9日(火)~
○入試期日 令和6年1月23日(火)

<荒尾市・玉名市>
○出願期間 令和6年1月 9日(火)~
○入試期日 令和6年1月16日(火)

2024年一般生 入試

<熊本市・八代市>
○出願期間 令和6年2月 5日(月)~
○入試期日
令和6年2月14日(水)
鎮西 真和 尚絅 熊本信愛女学院 熊本中央 熊本国府
熊本マリスト学園 東海大学付属熊本星翔 文徳

令和6年2月15日(木)
九州学院 ルーテル学院 開新 慶誠 熊本学園大学付属
八代白百合学園 秀岳館

<荒尾市・玉名市>
○出願期間 令和6年1月 9日(火)~
○入試期日
令和6年1月16日(火) 玉名女子 有明

令和6年1月30日(火) 専修大学熊本玉名

<菊池市・山鹿市>
○出願期間 令和6年1月23日(火)~
○入試期日
令和6年2月 6日(火) 菊池女子 城北

 
文字がずらずらと見にくいですが、熊本市内について簡単に書くと
 
<「特待生・奨学生、専願生・推薦生」入試>

2024年1月9日(火)~出願
2024年1月23日(火) 試験

<「一般生」入試>
2024年2月5日(月)~出願
2024年2月14日(水)、15日(木) 試験

となります。
(出願期間については学校ごとに違う場合があります)

2024私立高校入試までの中学校でのスケジュール

私立高校入試までのスケジュール
  • 11月上旬に行われる共通テスト
    熊本県の中学3年生は、全員、所属中学校で同じ日に同じ内容のテストを受けます。

    このテストの結果と、それまでの内申点から受験する高校を決めるので、大変重要なテストです。

    そのため、熊本県の高校入試対策をおこなっている学習塾では「共通テスト対策」などの追加講座をおこなうこともあります。

  • 11月末から12月にかけて3者面談

    近年は中学を卒業して就職することはほぼ無いので、この面談は進学するのか就職するのかではなく、公立志望の場合は滑り止めの私立高校をどこにするのか?、私立高校志望や成績上公立高校は難しい場合、専願で受けるのか、といった話が主になります。

    公立高校は前期試験、後期試験ともにまだ時間があります(後期試験の出願は2月)が、私立高校の出願は年明けすぐになるので、この3者面談で受験校を決める流れになります。

    そして、私立高校の受験校を決めるということは公立高校をどうするのかを決めることと同じ意味になるので、実質ここで全ての受験校を決定します。

  • 私立高校奨学専願入試
    1月第3週頃(2024年は1月23日)に私立高校の奨学専願入試が実施されます。

    熊本市内に限っていえば、中学3年生全員が受験する入試になります。

    ほとんどの私立高校がこの入試の点数によってS、A、Bなどのランク付けを行い、そのランクごとに授業料の全額または一部免除、入学金全額または一部免除などの特典を設定しています。

    合格発表はおおむね1週間後です。

  • 私立高校一般入試
    2月中旬(2024年は2月14日15日)に行われます。

    私立高校を2グループに分けて2日間行われるので、2校受験することも可能ですが、一般入試の場合入学金の納付期限が早いため、公立高校に合格した場合でも入学金の納付が必要になります。(一部、入試の成績によって免除になる場合もあります)

中学校の進路指導には従わないといけないの?

熊本県の高校入試は筆記試験に内申点も加味されて合否が決まります。

中学校の進路指導は共通テストの点数だけでなく内申点の状況もあわせておこなわれるので、ある程度妥当なものになっています。

「ある程度」と表現した理由は、生徒の成績や受験事情を知っているものからすると、ちょっと慎重すぎるかな?と思うところがあるためです。

中学校の進路指導はあくまで「提案」なので、最終的に決めるのは本人と保護者ですが、余程の事情がない限り中学校の提案通りに受験するのが普通です。

3者面談では、その場で受験する私立高校の願書を渡されて、遅くとも1週間以内には中学校に提出することになります。

特待生と推薦生の違いと内容は?

特待生と同じように扱われるものに推薦生があります。

この二つの言葉を調べてみると、「特待生」は入学金・学費などを免除されるもの、「推薦生」は試験自体を免除されるもの、とあります。

ただ、熊本県の私立高校の入試要項をみると「特待生」と「推薦生」を分けずに、「特待生」一本にしていますし、学校によっては「奨学生」のカテゴリにまとめているところもあります。

私立高校の情報をまとめている熊本県私立中学高等学校協会ホームページ

の内容では「特待生」と「推薦生」の記載がありますが、熊本市内の私立高校の場合は、これらは同じものと考えてもよさそうです。

特待生(推薦生)とは

特待生(推薦生)というと成績優秀とかスポーツのイメージがありますが、熊本県の私立高校の場合は、ほぼ「スポーツ特待(推薦)」になると思います。

ただし、奨学入試が終わったタイミングで学業の面で特待生の誘いがある場合もあります。

詳しくはコチラの記事に記載しています 

ほぼ「スポーツ特待(推薦)」になる最大の理由は、熊本では公立高校の人気が高いためです。

私立高校に特待生で入れる学力があるのなら、公立高校の成績上位校の方に行こうと考える場合が多いからです。

スポーツ推薦の場合は、例えば、鎮西高校や信愛女学院高校のバレーボール、慶誠高校の卓球、ルーテル学院高校のサッカー、等でしょうか。

熊本県の場合11月の共通テストが終わってからがスカウト行為の解禁になるので、そのタイミングで中学校を通じて特待生(推薦生)の話が来ます。

それ以外でも、部活の顧問、スポーツスクールなどのルートからスカウトがあります。

特待生として受験すると試験に落ちることはまずありません。

もし、急病などで試験を欠席しても何らかの方法で救済されると思います。

そして、費用的にも入学金、学費、寮費なども、ほとんどが無償になります。

奨学生とは

この奨学生のカテゴリが公立高校を第一志望にしている、いわゆる「滑り止め」になります。

私立高校ごとにS(SS)・A・B・Cなどランク分けをして合格を出して、入試の成績によって各々「授業料免除」「入学金免除」「入学金半額」などの特典をつけていきます。

熊本県の人気の私立高校はどこ?

東海大学付属星翔高校

定員割れの私立高校が多い中、最近は1学年10クラスなんてこともある
<東海大星翔高校>の人気が高いです。

2023年夏の甲子園出場おめでとう!

東海大星翔高校正門

大江地区のような学校密集地ではありませんが、何と言っても学校専用のJR駅があることも魅力の一つです。

そして、もう一つの魅力は、東海大学への内部進学が比較的容易なので、大学進学も視野に入れた選択ができます。

東海大学は外部からの受験の難易度を高くしているので、大学の格はそこまで低くありません。したがって就職も超一流企業は難しいもののソコソコ悪くないです。

ただ、入学時にタブレットの購入が義務化など、学費面では他の私立高校より若干高めになっています。

他にも県外の有名私立大学の推薦枠を多く持つのが

熊本学園大学付属高校

熊本学園大付属高校建物

熊本学園大学のレベルははっきり言って高くはありませんが、付属のこの高校は熊本高校や済々黌高校の滑り止めで受験されるくらいのレベルの学校です。

そのため、熊本学園大学にいきたくてこの高校に行くことはあまり無く、熊本県なら熊本大学や熊本県立大、もしくは県外の有名私立大に進学するパターンが多いようです。

慶誠高校

慶誠高校正門

入試のレベルはともかく、人気がある高校といえばこの慶誠高校の名前も挙がってきます。

3年間通じて学ぶ食物科の「調理師コース」、普通科2年次から選択できる「パティシエコース」のような特徴を持った専門課程が人気です。

学業の面では、特進クラスで見込がある生徒は、学校が学費を負担して予備校に通わせてくれて、この制度を利用した生徒が熊本大学医学部などに進んだ実績もあります。

九州学院高校

文武両道で学業だけでなく部活も盛んな高校で、ヤクルト村上選手の母校でもあります。

熊本では上品なイメージがあり、県外の有名私立大への推薦枠を多く持つ高校です。

九州学院高校2

熊本県の私立高校の受験事情

熊本県には全日制私立高校が21校あり、そのうち14校が熊本市内に位置しています。

またその14校中11校が熊本市中央区、2校が東区、1校が西区と、熊本市内に密集している状態です。

熊本県内の私立中学校高校所在地図についてはこちらが便利です<熊本県私立中学高等学校協会ホームページ>

熊本市内では

大江近辺は開新高校

開新高校

九州学院高校

九州学院高校

このほか、慶誠高校は九州学院高校のお隣で、電車通りを渡ると尚絅高校、鎮西高校、真和高校など、多くの私立高校が密集しています。

公立高校志望で私立高校は滑り止め受験

公立高校と私立高校の受験の組み合わせはだいたい決まっています。

熊本高校志望なら私立奨学(滑り止め)は熊本学園大付属高校や真和高校、熊本北高校なら私立奨学(滑り止め)はルーテル高校か東海大星翔高校(いずれも特進)、第一高校なら九州学院高校、など

住んでいる地域によっても違いはありますが、公立高校志望者が中学校の進路指導で勧められた私立高校を受験して落ちることはまずありません。(ただし、あくまで過去のデーターと共通テストの結果を総合し、気持ちを切らさず臨んだ場合ですが)。

私立高校側もこの公立高校滑り止めとして奨学入試を受験することについては理解していて、毎年、定員の3倍近い合格者を出して対応していますが、それでも定員割れする高校もあります。

私立高校を専願で受験

成績上、公立高校が難しい場合この私立専願を勧められます。

一部、ご家庭によっては代々この高校などの理由で高校を決めることもありますが、やはり共通テストの結果をもとに公立併願でも大丈夫なのかを判断して決定していきます。

公立高校に行きたいと考えていたのに私立専願を勧められるのはショックかもしれませんが、ここで中学校から勧められた私立高校を、しかも専願で受けて、落ちることはまず無いでしょう。

私立高校としてもこの専願入試が一番確実な生徒募集の機会なので、余程のことが無い限り、不合格を出すことはありません。

熊本県の私立高校を専願で受けて落ちることは無いの?

少なくとも中学校の進路指導どおりの私立高校を専願で受けて落ちることは無いでしょう。

中学校が成績を理由に専願を勧める私立高校といえば2~3校思い浮かびますが、そのいくつかの高校の受験担当の先生の話では、みなさんここ数年間、併願専願に関わらず不合格者を出していないとおっしゃっていました。

専願で受験したら不合格になりにくい高校の見分け方はこれが試験科目にある事

生徒不足の昨今、専願受験してくれる生徒は一人残らず入学させたいのが私立高校のホンネですが、とはいえ入学後にあれこれ問題をおこされるのも困った事です。

とくに成績が一番の理由で受験されるいくつかの高校は、専願受験生の受験科目に「面接」を取り入れて実際に生徒を見てから合否を決定しています。

熊本の私立高校の募集要項を比べて見ていると、熊本高校や済々黌高校の滑り止めになるような学園大付属高校、真和高校などは受験科目に面接はありません

逆に言えば、面接を取り入れている私立高校は入学難易度が高くないということです。

理由として一番大きいのは面接は「点数の基準があいまい」だからです。

筆記試験の場合、答案用紙も残るので、後から「なぜこんな点数の生徒を入学させた!」と突っ込まれる可能性がありますが、面接の場合、もしそんなツッコミがあっても「将来に期待できると判断しました」と言えるためです。

面接があるかどうかは各学校のホームページの生徒募集要項に記載されていますので、試しに見比べていただくとこの傾向がよくわかりますよ。

先生方の話では筆記試験の結果はその後の指導で挽回できるが、素行面の指導は手間がかかって難しいので面接を重視して選考しているようで、SNSなどでよく見る「○○高校専願で落ちた」の理由はこういったところにあると思います。

でも私立高校を落ちた話も聞くけど?

ここまでの私立高校選定は、中学校の進路指導に従った話ですが、全員が全員、中学校に言われた通り受験するものでもありません。

私の生徒でも経験があります。

第一志望の公立高校は納得の選定でしたが、滑り止めとしてその私立高校は無謀かなと思い、話はしましたが、保護者の思い入れのある私立高校で、もし落ちたら一般入試で他の高校を受験する、というので見守っていたのですが、やはり不合格でした。

ちなみに、私立高校の入試判定の基準は、難易度が高い順でいうと

一般入試 ⇒ 奨学入試 ⇒ 専願入試

となり、偏差値的に言えば同じ学校でも5ポイントずつ下がっていくイメージです。

(例えば一般入試の偏差値が55の場合 ⇒ 奨学入試は50 ⇒ 専願入試は45 のように)

入学金の納付期限に注意

通常、合格を確定させるには「入学金の納付」が必要になりますが、奨学生合格の場合、
入学金の支払い期日は公立高校合格発表翌日になります。

つまり、公立高校に合格した場合、入学金を支払う必要が無い

のですが

一部の私立高校はCランク合格者や指定コースの合格者に限り入学金支払い期日を公立高校合格発表前にしている場合があるので、願書提出時に確認が必要です。

つまり、公立高校に合格しても入学金の支払いが必要!

となる場合があります!

また、2月に行われる一般入試の場合、学校側が設定した最上位クラスの合格でもない限り入学金の納入が必要になります(半額の学校もあります)。

入学金の内訳に注意

また、入学金を「入学金」と「○○費(教育振興費や施設充実費のような名称)」の合計としている高校があります(もちろん注釈はあります)。

例えば入学金11万円と書いているので11万円が免除になると思っていると、内訳が入学金3万円、○○費8万円の合計11万円で、免除になるのが3万円という学校があるので、募集要項をしっかり読んで確認することが必要です。

私立高校の選び方2選

1.部活で選ぶ

高校の部活

中学校で部活を頑張っていた生徒は、高校を部活メインで選ぶことも少なくありません。

また、そういった高校からスカウトされることも多くあります。

有名なところは、
バレーボールの鎮西高校・信愛女学院高校、野球の東海大星翔高校・文徳高校・九州学院高校・秀岳館高等学校、サッカーのルーテル学院高校・国府高校・東海大星翔高校・秀岳館高等学校、卓球の慶誠高校、ボートの熊本学園大付属高校、等々、他にも多くの高校が全国大会出場を果たしています。

特に、鎮西高校のバレー部は男女とも全国大会優勝の常連で全国的にも有名ですが、このくらいのレベルになると中学時代の実績がないと入部できない場合もあります。

2.専門課程で選ぶ

熊本の私立高校は普通科だけでなく専門コースを設けている学校が多く人気があります。

看護師を目指して中央高校、調理師・パティシエを目指したいので慶誠高校、自動車や機械の仕事に就きたいので開新高校、美術に興味があるのでルーテル学院高校
ダンスが好きなので鎮西高校、等々熊本の私立高校は中学生が興味を持つような専門課程を設けている学校が多くあります。

熊本の私立高校は最大何校受験できる?

熊本の私立高校入試は通常多くても1月の奨学と2月の一般の2校でしょうが、日程上だけで考えると一般入試でもう1校の計3校受験することができます。

1回1万円の受験料を払ってここまでする人はそうそういないと思いますが、公立高校志望者の中には、1月の奨学入試は中学校の進路指導に従って受験してとりあえず合格し、2月の一般入試で、もしも公立を落ちた場合に自分の行きたい私立高校を受験する生徒は一定数いました。

例) 第一志望 公立高校私立高校志望 A高校中学校から勧められた滑り止め B高校

1月の私立奨学入試でB高校受験 ⇒ 合格

2月の私立一般入試でA高校受験 ⇒ 合格

3月の公立高校入試で合格なら公立高校へ入学不合格ならA高校へ入学

ただ、一般入試に合格した場合、合格を確定させるには公立発表前に入学金の払い込みが必要ですので、結果、公立高校に行ったとしても1校あたり10万円以上の費用がかかってしまいます。

また、一般入試は奨学入試に比べて合格難易度を高めに設定しています。

熊本の私立高校の生徒募集状況

熊本の私立高校はどこも生徒不足に悩んでいるようです。

複数の私立高校の生徒募集担当先生と話をしていても、「ここ何年も不合格者を出していません」
と明言されるくらい生徒募集が大変なようですが、全員合格のようなことを続けていると…

不合格者を出さない
  → 成績が芳しくない生徒が入学する

    → 授業のレベルが下がる
     → 大学進学実績が出せない 

       → 実績がないので入学希望者が減っていく
         → 不合格者を出さない

このような負のスパイラルに陥ってしまうのが私立高校の悩みのようです。

まとめ

熊本の私立高校は、毎年、学校や市内のホテルなどで学校説明会を行っているので、説明を聞きに行ってみることをおすすめします。

授業料などの、料金も2020年度より国の補助額が大幅に増えていますので選択の余地は大いにあると思います(世帯収入によって制限はあります)

熊本県の私立高校の学校別の授業料についてはコチラの記事に記載しています

2020年4月からの「私立高等学校授業料の実質無償化」リーフレット(文部科学省ホームページ)

合格不合格ももちろん大切ですが、公立高校を第一希望にして滑り止めとして私立高校を受験する場合は、受験校をよく考えて、入学金支払いのルールをしっかり確認して無駄なお金を払わないように考えて受験校を決めましょう。

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